パルキのコーヒー

- Coffee PALKI
- 那須コーヒーパルキ
プロが教える、家庭で淹れるコーヒーレベルアップ読本 おいしいコーヒーを淹れるために知っておきたいこと このテキストは「那須コーヒーパルキ」の店主であるわたしが、コーヒー教室「プロが教える、家庭で淹れるコーヒーレベルアップ講座」で生徒さんにお伝えした内容をテキストにまとめたものです。構成は「基礎知識編」と「ハンドドリップ実践編」の2部構成になっています。少し長文になりますが、お時間があるときコーヒー片手にご覧になってくださいね。 基礎知識編 コーヒーをおいしく淹れるのは、それほど難しいことではありません。 コーヒーのさまざまな知識を知ることで、自分好みのコーヒーに近づけることができると思います。コーヒーメーカーで手軽に淹れるコーヒーはもちろん、ご自分でハンドドリップに挑戦する際にも、これらの知識が役に立つはずです。せひ、ご家庭で淹れるコーヒーをよりおいしくしてみましょう。 1 コーヒーの味覚について まずはコーヒーの味覚を左右する、基本的なことを覚えましょう ・コーヒーは浅煎りほど酸味を感じ、深煎りほど苦みを感じる コーヒーの生豆は、コーヒーチェリーの種であり、もともと酸味をもっています。その生豆を焙煎する(焼く)ことで、酸味は少しずつ減少していきます。逆に焦げて深煎りになるほど、香ばしさや苦味が増していきます。ですから焙煎とは、どこまで豆を焼くかによって、コーヒーの味の印象を決める作業ともいえます。 ・ドリップ時のお湯の温度が低いほど酸味のあるコーヒーに。高いほど苦味のあるコーヒーになる 酸味の成分は低温のお湯でも抽出されやすく、逆に苦味の成分は高温のお湯でないと抽出されづらい性質のためです。そのため、湯温が80℃前後では比較的酸味を感じるコーヒー、90℃以上では苦味に寄ったコーヒーになります。淹れるお湯の温度でコーヒーの味わいが大きく変わることを覚えてください。 ・コーヒー粉は粗挽きほどサッパリとして酸味を感じ、細挽きほどコクが出て苦くなる 砂利の地面と、公園の砂場。それぞれに雨が降ったとしたら、どちらが早く地層の下に雨水が浸透していくでしょうか。答えは小石などが含まれる、すき間の多い砂利の方が早く浸透していくと思います。コーヒー粉も同様です。ジョリジョリの粗挽きほどお湯が通過する時間が早くなり、サラサラの細挽きほど、お湯が通過するのに時間がかかります。コーヒーの成分は、粉がお湯に浸る時間が長いほど多く抽出されるため、細挽きほどコクや苦味が強くなります。 では、これらの知識がコーヒーを淹れるときに、どう役に立つのでしょうか。 たとえば、ある日友人からふだん飲んだことのないコーヒー豆をプレゼントされたとします。そのコーヒー豆が自分の好みよりも深煎りで、少し苦くて重たいと感じた場合、どうしますか。そんなときは、以下のようなことを試してみます。 「コーヒー豆の挽き目をいつもより少し粗挽きにし、湯温を低くすることで、苦味を抑えて、サッパリとした味わいのコーヒーに自分で調整する」ことができるのです。逆にコーヒー豆が少し浅めで自分には酸っぱいなと感じたら、まったく逆の方法で味を調整すればいいわけです。 またこの基礎知識は、自分が本来どんなコーヒーが好きなのか、探っていくときにも役に立つと思います。では、自分好みのコーヒーはどのように見つければいいのかについてお話ししていきます。 2 飲んだコーヒーの焼き具合が分かるようになる 〜焙煎度について〜 コーヒーには大きく分けて、苦味の強い深煎りと酸味の強い浅煎り、その中間に位置する中煎りの味わいがあります。こってりとしたコクのあるコーヒーか、あるいはサッパリとしたコーヒーか。あなたはどんなコーヒーが好きですか。 わたしがふだんコーヒー店としてお客様に接していて、気づいたことがあります。 あくまでも一般的な傾向ですが、それは以下のようなものです。 昔からコーヒーに馴染みがあり、よくコーヒーを飲んできた中高齢層のお客様は、深煎りのコーヒーを好み、砂糖とミルクをいれて飲む方が多い。つまりコーヒーというのは苦い飲みもので、それを砂糖とミルクでマイルドにして飲む、というコーヒー文化があるのかもしれません。(わたしは違うという方、ごめんなさい!) あるいは、ずっとコーヒーが苦手だったという、比較的若い世代の方。その理由はコーヒーの苦味が好きではなかったから。でも最近、浅煎りや中煎りのコーヒーなど、苦味が控えめなコーヒーがあることを知って飲むようになったというお客様。 さらに、世代を問わずもっともよく聞かれる声として「酸味が苦手なので、酸味の少ないコーヒーがいいです」というお客様。経験として、お客様の7割くらいの方が酸味のあるコーヒーが好きではないとおっしゃる気がします。 ちなみにコーヒーを焙煎しているわたしにも、好みのコーヒーというものがあります。 現在、パルキのコーヒーは、中煎りから中深煎りに焼いたコーヒーをご用意しています。 その焙煎度で焼いたコーヒーが、一番お客様に自信をもってオススメできると思っているからです。 前置きが長くなりましたが、ここまでお話ししてきたことはコーヒー豆の「焙煎度」についての内容です。もしあなたが「いろんなコーヒーを試してみたい」と思っているのなら、コーヒー豆を購入するときにどんな「焙煎度」で焼かれたコーヒー豆かを意識して選んでみてください。 焙煎度には、メーカーやコーヒー屋さんによって、いろんな言葉で表現されています。 浅煎り Light roast シナモン/ミディアムロースト 中煎り Medium roast ハイロースト/シティ 中深煎り Dark roast フルシティロースト 深煎り Dark roast フレンチロースト/イタリアンロースト ※お店によって焙煎度の定義が若干異なります。 念のため、メーカーやコーヒー屋さんによって、焙煎度の考え方や表記に差があることもお伝えしておきます。同じコーヒー豆でも、A店ではそれを中深煎りと呼び、B店では深煎りと呼んでいるということが実際にあります。これはお店の考えに委ねられている部分です。 「自分はどの焙煎度が好きなのか分からない」ということでしたら、まず中煎りのコーヒー豆を選んでみてはいかがでしょうか。わたしが中煎りでコーヒーを焙煎しているから言うわけではありませんが、中煎りは文字どおり、まん中の焙煎度。いい意味で味覚の偏りが少ないといえます。 「苦すぎず、酸っぱすぎず、どちらも程よく味わえる、いいとこ取りの焙煎度」なのです。 とくにコーヒーを飲むようになって日が浅い方であれば、焙煎度の中間に位置するコーヒーがどんな味なのかを試してみることで、味覚の基準ができると思います。そこから、深めのコーヒーや浅めのコーヒーに幅を広げていくと、自分の好みの焙煎度がどのあたりか、分かる気がしませんか。 もうひとつ、焙煎度について興味深いのは、コーヒー豆は焙煎していくにつれ、単に酸味から苦味への変化だけでなく、フレーバーが変化していくことです。 例としてパルキで扱っている、コスタリカの豆の焙煎度による香味の違いについてご紹介します。 浅煎り 砂糖菓子のトフィーやキャラメルのような甘み。りんごのような丸さのある酸味も感じる。 中煎り チョコレートのような甘みがして、コクも増してくる。ほのかに酸味とフルーティさも感じる。 中深煎り 苦味とほのかなフルーツ感。ビターチョコのようなほろ苦い後味。 つまり、浅煎り、中煎り、深煎りと焙煎が進むにつれて、飲んだときの香味の印象が変化していくということです。ひとつのコーヒーでも、焙煎度によって香味が変わることを覚えておいてください。 ここまで焙煎度についてお話ししてきましたが、最後に「酸味」という言葉の壁について、少しお話しします。 先ほど酸味が苦手な人が多いということについて触れましたが、この「酸味」という言葉はちょっとやっかいだな、と思っています。 酸味と聞くと、多くの人は梅干しや柑橘類のように、口をすぼめたくなるような味覚を想像するようです。それで、酸っぱそうだから「酸味の少ないコーヒーがいい」となってしまいます。 たしかに浅煎りのコーヒーであればあるほど、酸っぱいと感じるかもしれません。 ただ、豆が酸化して酸っぱいのは別として、コーヒーでいう本来の酸味とは、口のなかを刺激するような酸味とは違います。 コーヒーの酸味とは産地の個性を味わえる豊かなフレーバーで、りんごやオレンジなど、果実の風味に例えられたりします。コーヒーの味覚において酸味は大切な要素で、よくコーヒー業界の表現として「明るい酸味」といったりしますが、ちょっと分かりづらい表現ではないかと思います。 ですから、お客様にコーヒーの味を説明するときは、できるだけ「酸味」という言葉を単体では使わずに「どんな酸味なのか」を伝えるようにしています。「青りんごのような酸味」とか「グレープフルーツのような酸味」という言葉で香味を伝えると、お客様は「へぇ」と興味をもってもらえます。 これはコーヒー屋として当然のことかもしれませんが、酸味が苦手という方に酸味の価値を伝えることは、意外と難しいと感じます。 実際、酸味が苦手というお客様に、やわらかい酸味のあるコーヒーをご提供すると「美味しかったです」とおっしゃる方が多いのです。 これまで酸味が少ないから、という理由で苦みの強いコーヒーを選んでいた方には、ぜひやわらかい酸味を感じるコーヒーも試していただきたいなと思います。 3 もうお店で迷わない。産地名でコーヒーの味をイメージできる カフェやコーヒー屋さんでコーヒーを注文するとき、メニューにはオリジナルブレンドと、ストレートのコーヒーがいくつか書かれているのを見かけます。 オリジナルブレンドは、そのお店がどんなコーヒーをお客様に飲んでもらいたいかを形にしたものだと思います。いわばお店の顔ともいえるのが、オリジナルブレンドであり、お客様も安心して注文できると思います。 ブレンドコーヒーは、それぞれの豆の特徴をかけ合わせた、丸みのある奥深い味わいが楽しめます。およそ3、4種類の豆がミックスされていると思いますが、産地の記載を見ずに飲んでみて、すべての産地名を言い当てるのは、舌の肥えたコーヒー通の方でもなかなか難しいのではないでしょうか。 また、過去にブレンドのコーヒーしか飲んだことがないという方の場合、産地ごとのコーヒーの味の特徴は、まったく分からないと思います。 一方、キリマンジャロやモカ、コロンビアのように、ひとつの国や生産地域のみの豆を使ったコーヒーを、ストレートと呼びます。さらにもっと産地を絞り、ひとつの農園の単一品種を銘柄としているコーヒーを「シングルオリジン」と呼びます。野菜でいえば「栃木県産のナス」ではなく「鈴木農園の水ナス」という感じでしょうか。 ストレートは「ある国(生産地域)の豆」という大きな括りであるため、どこの農園でつくられた豆かを辿ることが難しいのに対し、シングルオリジンはひとつの農園や小規模な地域でつくられた豆で、生産者をしっかりと辿れるコーヒーです。そのため、農園のこだわりやその土地で育つ豆の個性が、味わいにはっきりと出てきます。現在は農園名まで記載された、シングルオリジンのコーヒーを扱っているお店があります。ぜひそうしたお店でシングルオリジンのコーヒーをお試しいただきたいのですが、まずその前にストレートのコーヒーについて着目してみませんか。 その理由は、ストレートとシングルオリジンは、基礎と応用の関係に似ていると思うからです。ストレートは、ある生産国(地域)のコーヒーの特徴的な味わいを示しています。ですから、お店のメニューに「ブラジル」や「エチオピア」としか書かれていなくても「こういう味だろうな」とイメージできると思います。 その上で、シングルオリジンを試してみると、より農園ごとの奥深さを知ることができる気がします。 それでは、ここから生産国ごとのストレートコーヒーの味わいの特徴をいくつか簡単にご紹介します。 ◎ブラジル 他の産地にくらべて酸味はやわらかめで、スタンダードなコーヒーらしい味わいです。その分際立った個性はないものの、苦味と酸味のバランスがよくてブレンドの豆に使いやすく、ナッツやチョコレートのような甘みに例えられる、味わいが特徴です。 ◎モカ モカとは、エチオピアとイエメンのコーヒー豆が出荷される、紅海にある港町の名前です。 エチオピアは熟したベリーのような、華やかでフルーティな果実感があり、日本でも人気。一方、イエメンはスパイシーな香味があり、モカとひと口に言っても味わいは異なります。そのため最近では両国のコーヒー豆をひとくくりにモカと呼ぶよりも、それぞれにエチオピア、イエメンと呼ぶほうが一般的です。 ◎キリマンジャロ キリマンジャロとはアフリカのタンザニアにある山の名前で、つまりタンザニア産のコーヒーのことです。高地で栽培される上質なコーヒーとして知られています。味わいは上質な酸味とコク、柑橘系のフルーツを思わせる甘みが感じられます。酸味が強めのため、深めに焙煎して酸味と苦味のバランスをとり、重厚で力強い味わいを楽しむのもおすすめです。 ◎コロンビア コロンビアは赤道直下で標高の高い産地があるため、コーヒー栽培に適した環境の国です。土地ごとに多様な味わいのコーヒーが採れ、優しく深い味わいがあります。酸味と苦味、甘みとコクのバランスがよく、ブレンドにもよく使われます。 ◎マンデリン インドネシアのスマトラ島の一部の地域で栽培されているコーヒーで、南国の独特な味わいに根強いファンがいます。酸味は控えめで豊かなコクと苦味があり、アーシーと呼ばれる大地の土っぽさや、ハーブのようなスパイシーな風味が感じられます。深めに焙煎しても、個性が失われずに楽しめるコーヒーです。 ◎パナマ 中南米のパナマは、ゲイシャという品種(エチオピアのゲシャ村が起源の品種)のコーヒー豆が高級品として栽培されています。ゲイシャ以外にも良質な品種の豆がつくられており、その味わいはシトラス系の酸味があり、上品で爽やか。エチオピアのようなインパクトはありませんが、飲んだあとに口内で立ち上がるアフターテイストの芳醇さもパナマの素晴らしさ。浅煎りから中煎りくらいの焙煎度が豆の個性を感じられ、おすすめです。 先ほどお話ししたとおり、ここでご紹介したのは、コーヒー生産国の味わいの一般的な特徴であり、ストレートと呼ばれるコーヒーに即した考え方です。さらにそこから、地域や農園によって多様な味わいをもつシングルオリジンを知っていくと、より深く産地の個性を楽しむことができます。この産地ごとの特徴と、焙煎度を掛け合わせることで、コーヒーの味わいをより明確にイメージできるようになっていきます。 たとえば、エチオピアの有名産地のひとつである、イルガチェフェのコーヒー豆の浅煎りが店頭で販売されているとしましょう。この商品情報から、どんなコーヒーだと想像ができるでしょうか。 エチオピアといえば、華やかでフルーティな味わいが特徴。イルガチェフェはフローラルでベリー系の風味があり、浅煎りであれば酸味とともに、香味の個性を鮮やかに感じられそう。 このような感じでコーヒー選びの手がかりになってくれるはずです。 まずはいろんなストレート(シングルオリジン)のコーヒーを飲んでみて、舌を覚えさせることからはじめてみてください。 さらに、生産地の味覚特性を知っていくことは、ブレンドコーヒーを選ぶ際にも応用できます。どこの豆を使ったブレンドコーヒーかが分かれば、その味わいを大まかに想像することができます。そのイメージをもとにお店の方と味わいの確認ができれば、自分が飲みたいコーヒーを選ぶことがやさしく、楽しくなると思います。 4おいしいコーヒーの条件 お客様に「どうすれば自宅でもっとおいしいコーヒーが飲めますか?」と聞かれたら、わたしはまず「良い豆を買ってください」と答えます。なぜなら、どんなに良いコーヒー器具を使い、正しい淹れ方をマスターしても、そのコーヒー豆の品質以上の味にはならないからです。逆に良い豆を使えば、間違った淹れ方をしない限り、コーヒーはおいしくなると思います。 では「良い豆」とは何でしょうか。 ひとつは生豆の品質のことです。近年、専門店では常識となっていますが「スペシャルティコーヒー」という豆のグレードであれば、品質の良いコーヒー豆ということになります。スペシャルティコーヒーとは、味や香りの決められた評価基準を満たし、コーヒー豆の管理が徹底された品質の高い生豆のことです。日本スペシャルティコーヒー協会のHPに、定義や評価基準が詳しく記載されていますので、ご興味がある方はチェックしてみてください。 また、矛盾するようですが、私は「スペシャルティ以外のコーヒーはおいしくない」と言いたいわけではありません。スペシャルティではないコーヒーでも、おいしいコーヒーはあると思っています。言い方が難しいのですが、スペシャルティコーヒーであれば、品質の良いコーヒー豆の判断材料になる、ということをお伝えしたいのです。 「良い豆」のもうひとつは、焙煎されたコーヒー豆の鮮度です。私は焙煎豆が焼き立てであるかどうかを重視しています。おいしいコーヒーを一番楽しめるのは、焙煎してからおよそ3週間以内の期間だと思っています。コーヒーは時間が経つにつれて、風味が消えていきますので、できるだけ早めに飲みきれる量を購入するのがおすすめです。 ただ、ひとつだけお伝えしておくことがあります。焼いた直後は豆のなかに含まれる炭酸ガスがたくさん放出されている状態で、効率よくコーヒー成分が抽出されるのを妨げてしまいます。ですから、およそ焙煎日から2日〜3日ほど間を空けてから、飲み始めてください。(これをエイジングと呼びます)もし、お店で購入した豆が焙煎当日のものでしたら、エイジングについて、おそらくお店の方から説明を受けるかもしれません。 さて、スペシャルティの豆で焙煎したてでしたら、コーヒーは香り高く、おいしいはずです。 生産国名だけでなく、農園名まで記載されているシングルオリジンで、焙煎日も把握できるようになっているお店なら、おいしいコーヒー豆が購入できるはずです。 「良い豆」を販売しているコーヒー屋さんを探してみてください。 以下は、コーヒーを自宅でおいしく飲むために知っておいていただきたい内容です。すべてに共通するのは、飲む直前までできるだけ風味を保つためです。 ・新鮮で良質な豆を購入すること ・豆は飲む直前に挽く ・適切に保管する(密閉容器に入れ、湿気、光、高温、酸素を避ける) ・焙煎日から3週間以内に飲みきる。長くても1ヶ月以内(常温保存の場合) ・長く保存する場合は冷蔵庫か冷凍庫に入れる(他の食品のニオイの吸収に注意) 以上で基礎知識編は修了です。ふだんコーヒーメーカーを使ってコーヒーを飲まれている方は、これらの知識をもとに、いつもとは違うコーヒー豆にも興味をもっていただけると嬉しいです。ぜひ、新しいコーヒーの世界を楽しんでみてくださいね。 ここからは、ご自宅でハンドドリップでコーヒーを淹れている方、これからチャレンジしてみたいという方のために、よりおいしくなるハンドドリップの実践法についてご紹介致します。 その前に、わたしのお店「那須コーヒーパルキ」について、簡単にご紹介させてください。そして、パルキのコーヒーに少しでもご興味をもっていただけましたら、幸いです。 那須コーヒーパルキ 栃木県の観光地、那須高原にある自家焙煎コーヒー店です。那須岳を望む焙煎所にて、日々コーヒー豆を焙煎しています。コーヒー豆の販売のほか、店頭にてドリップしたコーヒーのテイクアウト販売もしています。 コーヒー豆は高品質なスペシャルティコーヒーを使用。「ご自宅で飲まれるコーヒーをより美味しく」との思いから、ネット通販ではご注文を受けてから焙煎し、香り豊かな焼き立てのコーヒーをお送りしています。 自家消費用のコーヒー豆の使い勝手にこだわり、すべて100gのアロマキープバッグ(風味を長く保つ弁付きの袋)に梱包。数百グラムのご注文でも、100gずつ開封できるので、最後まで風味を楽しめます。また、クリックポストでの発送で、全国一律送料200円でお送り致します。 そのほか、贈り物に最適な、宅急便でお送りするボックスセットもご用意しています。 ぜひ、ストアーズのネットショップよりお買い求めください。 心より、お待ちしております。 コーヒー豆の購入はこちら https://coffeepalki.stores.jp/ instagram @coffeepalki 那須コーヒーパルキ 栃木県那須郡那須町豊原丙4140−7 営業日:日・月・火 営業時間:10時〜17時 その2. ハンドドリップ実践 1杯のコーヒーを淹れるために、さまざまな道具や方法があります。おいしく淹れるためのコツや数値化されたものなど、情報もたくさんあります。ひとつの意見に対して、まったく逆の意見もあり、どれを信じたらいいのか、迷うこともあるかもしれません。 ひとつ言えるのは、とても単純なのですが「自分の舌を基準にする」ということ。 コーヒーの淹れ方の知識というのは、とても参考になりますが、一方でどんな方法論や数値よりも、自分の舌がおいしいと感じるかどうかが大事だと考えます。 それでは、まず最初にハンドドリップをする前に抑えておきたいことをいくつかお話しします。ご存知の内容もあるかもしれませんが、コーヒー屋をしていて、よくお客様から質問される内容をもとにまとめました。 ◎ドリッパーは何を使う? ドリッパーはどれを選べばいいでしょうか。ドリッパー個々の特徴を知れば、自分の好みに近いコーヒーを淹れられるかもしれません。形状によって一長一短あるドリッパーえらびは、なにを重視するかで分かれます。自分好みのコーヒーにはこのドリッパー。だけどたまには別のドリッパーでコーヒーを淹れてみるのも、楽しいものです。 ですから実際のところ、どのドリッパーを使うべきか、ということではありません。ドリッパー選びは、人それぞれです。 ◎台形ドリッパーの特徴 穴のサイズが小さく、抽出速度がドリッパーにコントロールされる。淹れる人によるクセが出にくく、安定した味に仕上がりやすいです。以下がメーカーから販売されている、主な台形ドリッパーです。 ■カリタ 豆自体がもつ個性をまろやかにして、三つ穴からスムーズにコーヒーが落ちるので、飲み口が軽いです。強い個性はありませんが、安定した味を出しやすく、入門用におすすめです。 ■メリタ コーヒーフィルター 抽出速度が一定になる小さなひとつ穴で、穴も小さいため抽出し終わるまでに時間がかかります。そのぶんコクが生まれ、心地よい香ばしさと苦味を感じます。飲み口はやや重めです。 ■メリタ アロマフィルター ひとつ穴が底面よりやや高い、側面についているのが特徴。そのため抽出に時間がかかりますが、コクや芳醇な香りも楽しめます。底に溜まる雑味も落ちにくいというメリットがあります。 ◎円すい形ドリッパーの特徴 大きな穴がひとつだけ空いており、台形にくらべてコーヒーの粉の層が厚くなるため、味がしっかり出やすくなります。湯の太さや注ぎ方で落とす速度をコントロールできるので、味わいを好みに応じて変えることができます。以下がメーカーから販売されている、主な円錐形ドリッパーです。 ■ハリオ V60 香り、苦味、甘み、酸味、それぞれの味わいが強めに主張されます。力強さと香りの高さが人気ですが、淹れるのに少し技量が必要となります。 ■コーノ リブのない部分にペーパーが貼り付くことで、コーヒー液のアクが下に落ちず、雑味のないクリアな味になります。それでいてコクはしっかりと出てバランスがいいです。ただし淹れる人の力量がそのまま味に出るので、初心者には少し難しいと感じるかもしれません。 ちなみにわたしはハリオのV60という円すい形ドリッパーを使っています。最初に台形ドリッパーそれぞれでコーヒーを試した感想は、豆のもつ味覚の個性は抑えめで、苦味が主体のコーヒーらしい味わいという印象でした。 それに対し、ハリオの円すい形ドリッパーで淹れたときのコーヒーの味わいはまったく違うものでした。豆それぞれの香味特性がはっきりと感じられ、しかもキレの良いクリアな味がしたのです。それ以来、私はV60を使用しています。 ◎コーヒー粉の挽き目はどうする? コーヒー粉の挽き目の性質については、最初に申し上げたとおり、細挽きであるほどお湯が通過するのに時間がかかり、粗挽きほど早く通過します。どんなコーヒーを飲みたいかによって挽き目を調整すればいいわけですが、とくにこだわりがないなら、中挽きでいいと思います。また、細かい挽き目は中細挽きまでにしてください。細挽きはコーヒーが落ちるまでに時間がかかり、雑味などの余計な成分までコーヒーに落ちてしまいます。 ◎コーヒー粉は1杯につき何グラム使う? コーヒー粉の適切な量というのは、粉の量とそそぐお湯の量のバランスのことです。1杯のお湯にどれだけのコーヒー成分が溶け込んでいるか、という濃度の問題です。 ですから、1杯にコーヒー粉10グラムでもいいですし、20グラムでもOK。 薄いと感じれば粉を増やし、濃いと感じれば粉を減らすという考え方でいいのです。 それらをふまえた上で、以下の粉とお湯の割合を参考にしてみてください。液体の場合1CC(ml)=1g(グラム)になるため、ここではお湯もg(グラム)で表記します。 粉1g:お湯16g (粉の量の16倍が注ぐお湯の量) 例)10gのコーヒー粉を使う場合、160gのお湯を注ぐ=130gくらいのコーヒーができる 注いだお湯はすべてコーヒーカップには落とさない。またペーパーと粉に吸収される水分も含めると、約30gくらいカップに落ちないお湯がある。 →つまり出来上がりのコーヒーの量+30gくらいのお湯を注ぐ この淹れ方を簡単にするために、ぜひタイマー付きの計りを購入してみてください。どんなものでも結構です。計りの上にコーヒーカップ(もしくはサーバー)とドリッパーを載せて、時間とお湯の量を目で確認しながら、コーヒーを淹れるようにすると、失敗がありません。私はハリオの「V60 ドリップスケール」というものを使っています。 それでは実際にハンドドリップでコーヒーを淹れていきましょう。まず最初に以下のことを覚えておきます。 ・水の場合1CC(ml)=1g(グラム)になる ・大きめのコーヒーカップはおよそ180g〜200gくらいのコーヒーになる ・小さめのコーヒーカップはおよそ120g〜140gくらいのコーヒーになる ここまでチェックしたことを踏まえ、ハンドドリップは以下のポイントを抑えて淹れます。 【1杯のコーヒー「◯◯ g」を淹れるときは】 「◯◯ g」のコーヒー粉に「◯◯ g」のお湯を「◯◯℃」で注ぎ「◯◯ 秒」で淹れる、と決める これを決めないと、毎回コーヒーの濃さや味の印象が変わるということになります。 例えば、私はふだんお店で以下のように1杯のコーヒーを淹れています。 例)パルキのコーヒー1杯「200g」を淹れるとき(ハリオのV60ドリッパー使用) 「15g」のコーヒー粉を「230 g」のお湯で「83℃」で注ぎ「1分40 秒」で淹れ終わる →お湯の量と淹れる時間は変えずに、コーヒー粉の量の増減で濃さの調整をする →味覚(酸味と苦味)の調整は粉の挽き目と、お湯の温度で調整をする ①中挽きで挽いたコーヒー粉15gをドリッパーにセットする ②83℃のお湯を粉全体を湿らせるつもりでゆっくりと回しかけ、30秒蒸らす ③のノ字を描くように、2回〜3回に分けて勢いよく、手早く回しかける ④1分40秒でドリッパーを外す(1杯は長くても2分以内、2杯分は長くても3分以内) ドリッパーによって淹れ方やかかる時間は変わりますが、粉とお湯のバランスで味わいが決まることは基本的に同じです。ぜひ、ご自分がお持ちのコーヒー器具を使って、チャレンジしてみてください。 最後に、わたしがコーヒー教室を開催しているとき、多くの生徒さんに指摘していることをふたつご紹介して終わりたいと思います。 できるだけ粉の近くでお湯を注ぐ ハンドドリップの際、コーヒー粉の上空、高いところからお湯を注ごうとする方が意外と多いです。お湯が暴れて狙ったところに回しかけるのが難しいですし、そうすることのメリットはひとつもありません。注ぎ口(グースネック)をできるだけ粉に近づけて回しかけるようにしてください。 手早く落とす ネルドリップでじっくりポタポタと淹れる抽出方法もありますし、すべてに当てはまるわけではありません。ただ、わたしはコーヒーの抽出は概ね手早く淹れたほうが結果は良くなると思っています。その理由は、時間をかければかけるほど、雑味が落ちてしまうリスクが高まると思うからです。 ハンドドリップをはじめたばかりの方は、回しかけるスピードがゆっくりなため、、プロが淹れるよりも倍近く時間がかかるケースもあります。サッとお湯を回しかけ、お湯が落ちきる前にサッとドリッパーを上げることを意識してみてください。時間にして、1杯分でしたら蒸らしを含めて2分以内、2杯分なら3分以内に淹れ終わる目標でドリップしてみましょう。 以上で「プロが教える、家庭で淹れるコーヒーレベルアップ講座」の内容は修了になります。ここまで、長文にお付き合いいただきまして、ありがとうございました。ご家庭でふだん飲まれるコーヒーが少しでも美味しくなった!と思っていただけたら嬉しいです。 楽しみながら、おいしいコーヒーを楽しんでくださいね。 「那須コーヒーパルキ」について、再度ご紹介させてください。パルキのコーヒーに少しでもご興味をもっていただけましたら、幸いです。 この度はお読みいただきまして、ありがとうございました。 那須コーヒーパルキ 栃木県の観光地、那須高原にある自家焙煎コーヒー店です。那須岳を望む焙煎所にて、日々コーヒー豆を焙煎しています。コーヒー豆の販売のほか、店頭にてドリップしたコーヒーのテイクアウト販売もしています。 コーヒー豆は高品質なスペシャルティコーヒーを使用。「ご自宅で飲まれるコーヒーをより美味しく」との思いから、ネット通販ではご注文を受けてから焙煎し、香り豊かな焼き立てのコーヒーをお送りしています。 自家消費用のコーヒー豆の使い勝手にこだわり、すべて100gのアロマキープバッグ(風味を長く保つ弁付きの袋)に梱包。数百グラムのご注文でも、100gずつ開封できるので、最後まで風味を楽しめます。また、クリックポストでの発送で、全国一律送料200円でお送り致します。 そのほか、贈り物に最適な、宅急便でお送りするボックスセットもご用意しています。 ぜひ、ストアーズのネットショップよりお買い求めください。 心より、お待ちしております。 コーヒー豆の購入はこちら https://coffeepalki.stores.jp/ instagram @coffeepalki 那須コーヒーパルキ 栃木県那須郡那須町豊原丙4140−7 営業日:日・月・火 営業時間:10時〜17時